弘前市中別所の重症心身障害児者施設・県立さわらび医療療育センターの常勤医が確保できず、施設存続が危ぶまれている問題で、県は31日、同センターに併設された県立弘前第二養護学校で、入所・利用者の家族らに説明会を開いた。県は常勤医の確保に至っていないため、当初6月末までとした所長(医師)の定年延長を7月1日以降もしばらく継続して対応する方針を示した。
説明会には入所・利用者の家族ら約90人が出席。県障害福祉課の佐藤裕幸課長が、医師確保が難航する中で、医師の吉村伊保子所長から定年のさらなる延長の申し出があったことを説明し「(常勤医が3人いた)2007年度と同じような施設運営ができるよう努めていきたい」と語った。
吉村所長は「安全にバトンタッチする日を夢見ながら仕事をしたい」と述べ、入所者の保護者らでつくる父母の会の平山富美子会長は「所長続投は願ってもない話だが、常勤医が所長一人では勤務状況が厳しい。1日も早く常勤医を見つけてほしい」と訴えた。
父母の会は常勤医確保や施設存続を求め、5月に署名活動を行い、これまでに約7900人分の署名簿を県に提出している。