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社説

社会保障予算 抑制は限界ではないか(6月1日)

 ここまで医療や福祉などの現場に深刻な影響が出ているのだから、社会保障費の抑制目標が行き過ぎているなら思い切って見直してはどうか。

 来年度予算の基本方針を定める「骨太の方針」に、社会保障費の自然増分を毎年二千二百億円抑制する政府目標を盛り込むかどうかで、与党内の対立が激しくなっている。

 自民党の厚生労働関係合同部会が後期高齢者医療制度への批判を受け、来年度は抑制を見送るべきだと決議したのがきっかけだ。

 福田康夫首相は政府目標を維持する方針を変えていないが、政府内からも「抑制は限界に近い」との声が出ている。

 むろん社会保障費とて聖域ではなく、いたずらな膨張は許されない。だが、抑制のしすぎが医師不足による地域医療や救急医療の崩壊の一因と言われているのだから、すぐにでも改めるべきだろう。

 国の社会保障費は高齢化に伴い毎年約八千億円ずつ増え、本年度は約二十二兆円に達している。

 抑制の政府目標は小泉純一郎政権時代の二〇〇六年に作られた「骨太の方針」に盛り込まれた。

 国債関係費を除いた歳入と歳出の差である基礎的財政収支(プライマリーバランス)を一一年度に黒字化する−。

 その方策の一つとして掲げられたのが社会保障費の自然増分を五年間で一兆一千億円圧縮する計画で、単年度では二千二百億円になる。

 この数値目標がいまも生きているのだ。政府内では来年度も雇用保険の国庫負担削減などで歳出を抑制する案が浮上している。雇用の改善で積立金に余裕が出てきたためだ。

 だが、こんな場当たり的な対応を続けていては、いずれ行き詰まってしまう。

 医療や福祉の水準をこれ以上落とさないためにも、過去の数値目標に縛られることなく、もっと柔軟に対応していい。

 その際、忘れてならないのが基礎的財政収支を黒字化するという目標の堅持だ。

 なし崩し的に歳出が増えるようなことがあってはならず、限られた予算の中でやりくりし、優先順位をつけて配分することがますます重要になってくる。

 首相は道路特定財源を来年度から一般財源化する方針を表明している。道路族議員や国土交通省の抵抗を押し切って、どこまで医療や福祉に回せるかも大きな課題だ。

 社会保障の維持と財政再建を両立させつつ、国民の生命や安全にかかわる部分にはきちんと予算をつける必要がある。

 
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