【独女通信】首都圏でペットを飼う独女が増えているのはなぜ?

空前のペットブームだが、オトコ魂の「ペットがいれば彼女はいらない 」によれば、独り暮らしの独身男性もペットを飼っているらしい。ペットにかつて付き合った彼女の名前をつけたり、独男にとってのペットは彼女の代替のようだが、独女にとってのペットとはどんな存在なのか。実際にペットを飼っている独女たちに話を聞いてみた。

練馬区に住む絵里さん（29歳　会社員）の起床時間は毎朝六時。出勤までの一時間、セキセイインコのピーちゃんと遊ぶのが日課だ。

── インコを飼ったきっかけは?

「何となくです。猫や犬は世話が大変だけど鳥なら楽かなと」
ところがペットショップから連れてきて一週間後、ピーちゃんのルビーのような真っ赤な右目が真っ白に変わっていた。びっくりしてゲージごと近所の動物病院へ連れて行ったが鳥の専門医はいない。紹介された動物病院へはタクシーで行った。診察を受けると感染症にかかっていた。ビタミン剤と目薬をもらい、マンションに戻ったが、その日、絵里さんは会社に午後から出勤した。

「まさかペットが病気とは言えなくて、自分が貧血だったことにしたんですけど」

ピーちゃんの感染症は薬の投与で完治したが、意外に神経質なピーちゃんの様子には毎日気を配っているという。一番困るのは彼氏と旅行に行くときだ。「自分が置いていかれるのが分かるのか、元気がないんですよ」

　とはいってもピーちゃんは部屋でお留守番ではない。絵里さんの留守の間は一泊3000円のペットホテルに滞在するのだそうだ。
　
地方出身の久美さん（会社員　32歳）は子供の頃から犬と猫を飼っていたから、いずれペットを飼いたいと思っていた。

学生時代はペット不可のマンション。就職と同時に引っ越したマンションはペット可だったけれど、食品会社の営業職は帰宅時間も遅く、とてもペットと生活する余裕はない。休日にペットショップで犬や猫を眺めるのが久美さんにとって癒しであり、ストレス解消だった。

ところが一年前、ペットショップで生まれたばかりのメスのミニチュアダックスフンドに一目ぼれ。格安料金だったこともありその場で購入を決めた。
家に連れてきた一週間は毎晩抱いて寝ていた。会社に行くのも後ろ髪を引かれる思いで、仕事が終わると自宅に直行。

「今も私的な付き合いは断っています。誘われても家に子供が待っているというとみんな一瞬、人間の子供だと思って固まりますけど」
久美さんにも彼がいるが、彼も犬好きで、休日は彼が散歩に連れて行くそうだ。
　
寂しい女性がペットを飼う。という図式は彼女たちには当てはまらない。彼氏の代替でもない。強いて言うならペットの保護者になることに喜びを見出している。

実家を離れて10年余り。独り暮らしにも慣れてきた。仕事にも慣れてきた。ちょっと生活に余裕ができたとき、ペットでも飼ってみようか。女性が本来持っている何かを慈しみ可愛がりたいという本能が首を擡げる。と分析してみたのだが、母性愛に溢れた独女たちには、ペットもいいけど、ぜひ人間の子供を育てて欲しいという声が聞こえてきた。（オフィスエムツー／佐枝せつこ）