2007年度に県内5カ所の児童相談所と市町村が受けた児童虐待相談の件数は計1203件で、前年度より15%(155件)増加したことが29日、県社会部のまとめで分かった。市町村への相談が同25%増と大幅に増えた一方、より深刻な事例を扱う児童相談所の件数は2年連続で減少。県は「虐待への社会的関心が広がり、深刻化する前に相談する人が増えているのではないか」とみている。
05年施行の改正児童福祉法は、市町村を児童相談の一次的な窓口と位置付け、県の児童相談所は専門性の高い相談に対応している。
県のまとめでは、07年度に児童相談所が扱った相談件数は535件で、前年度比2%(12件)減。うち160件は、市町村を経由して児童相談所が対応した相談だった。一方、市町村の相談件数は、児童相談所への送付分を含め828件で、前年度を166件上回った。
07年度の相談内容(児童相談所分)は「身体的虐待」が37%で最多。食事を与えないなど「保護の怠慢・拒否(ネグレクト)」が34%、「心理的虐待」は24%。相談経路では、警察が前年度より21件多い60件だった。県は「07年度に県と県警が児童保護に関する連絡会議を設けるなど連携を密にしたためではないか」(こども・家庭福祉課)としている。
07年度に県に寄せられた配偶者間暴力(ドメスティック・バイオレンス=DV)に関する相談件数は1737件。01年のDV防止法施行後、初めて減少に転じた06年度に比べ4%、67件増えた。