お礼状の意外な功名
テーマ:ブログ 帝王切開。耳慣れてはいるけど、術後が結構痛いものだということはあんまり皆さんご存知ないのじゃないだろうか。私は経験するまで知りませんでした。考えたらお腹とお腹の中の子宮も切るのだからそりゃ痛い痛い。
しかし退院後はたった一人で赤ちゃんの世話から家事までこなさなければいけないので「痛い痛い」とは言ってられない毎日。加えて追われていたのがお礼状書きだった。色々なところから出産祝いが届く。
「お礼状書いといて。」
パパは簡単に言う。
書き終わるそばからまたお祝いが届き・・・とても有難いことだが「痛い痛い」だけではなくて赤ちゃんのお世話も解らないことだらけでパニくる毎日。夜泣きされれば一睡もできないなんて日もザラ。そこへもってきて一面識も無い方々からのお祝いの山。お礼状書きが終了する日は来るのだろうか・・・
そんなある日、一本の電話が。
「姐さん、○○さんが姐さんからのお礼状、大変有難いと感激しておりました。」
パパには礼状、礼状せっつかれるので(…うるさいなあ…)と思ってた矢先、あんまり喜こばれて私の方もびっくりしてパパに報告すると
「礼状は色々に使えるからな。」
つまり、私が頂くお祝いは大抵はパパが係争にかかわり助けているところからだ。いじめられているところは届いた礼状をガタガタ言う輩に見せて黙らすらしい。
「礼状見せるやろ。ドコソコ商事のコウコウコウイウ会長の第2夫人とコンダケ親しいとなるんや。」
うーーーん、なるほどねえ、と納得。
それこそ例をとって競馬関連のところだけ見ても、内情はまさに荒っぽい馬喰(ばくろう)の世界なのだ。○○さんが××さんに手形を騙し取られたの、馬蹄師が因縁ふっかけられているだの、追い込み馬じゃなくって人間が追い込みをかけられているだの。パパはよく勘違いされるのだが菅谷組長、あるいは宅見組長から盃を受けていると思い込まれている。実際はどなたからも盃は受けていないのでヤクザではないのだが菅谷組長、宅見組長とは大変親しかったし今でも色々な直参の親分さん達と親しいという背景もあって、お礼状には意外な功名があったのだ。
「だから、なるべく書いてやって」
そして、やはり直筆が一番なのである。
そんなわけで、せっせせっせと礼状を書く毎日。人間いざ他人を助けてあげたいと思ってもなかなかうまくいかないこともある。ひょんなことでそれが出来るなら幸せではないか。痛い痛いなどと言っていられない。
ちなみに菓子折りなどののし、宅配便の送り状などを似たような用途で活用される方もいるようです。