「鶴丸」マークあすでお別れ
「鶴丸」マークあすでお別れ 05/30 19:16

日本航空のシンボルとして、半世紀にわたって親しまれてきた「赤い鶴」のマークの飛行機は、いまやわずか2機が残るだけです。

それも来月塗り替えられることになり、あすはラストフライトを迎えます。

きのうの福岡空港。

尾翼に赤い鶴のマークが描かれた日本航空の飛行機が着陸しました。

「半世紀にわたって親しまれてきたこの鶴のマークが、まもなくラストフライトを迎えます」

JALグループが所有する機体は272機。

このうち、鶴のマークが描かれている飛行機は、国内線と国際線に1機ずつ残っているだけです。

この鶴のマークは1954年、JALの国際線開設に伴い、日本らしさを強調するシンボルマークとして使われ始めました。

しかし、2002年の日本エアシステムとの経営統合に伴い、機体の塗装は新デザインに移行しました。

そして来月、残された2機のマークも塗り替えられることになったのです。

「仕事でもずいぶん乗りましたから、鶴のマークには愛着があります」

「海外といえば、この鶴のマークですから。憧れが…、残念ですね」

鶴が丸く羽を広げたシンボルマークは、「鶴丸」と呼ばれて親しまれてきました。

「ありがとうございます、行ってらっしゃいませ」

ビジネス客を中心としたきのうの搭乗客には、「さよなら鶴丸」と書かれた搭乗記念証が渡されました。

1961年、福岡−羽田間にジェット機が就航。

このあとJALの社章も鶴のマークになりました。

1970年、羽田発福岡行きの日航機がハイジャックされた「よど号事件」。

1980年代に始まった海外旅行ブーム。

鶴のマークは、様々な出来事、時代の変遷を見守ってきました。

「入社2年目に、研修で客室乗務員として南米線に乗務。その際、日系1世の人が里帰りする便で鶴のロゴを見て、日本だ、と涙を流していらっしゃった」

鶴が大空を舞うのは明日が最後です。

福岡空港を午後3時15分に発つラストフライトは満席。

別れを惜しむ搭乗客を乗せて、最後の翼を広げます。