政府は19日、コメ不足に直面しているフィリピンに対し、米国などから義務的に輸入しているミニマムアクセス(最低輸入義務=MA)米の一部を支援に回す方向で検討していることを明らかにした。コメは世界的な需要増加で不足感が高まっており、米政府はこれまでの方針を転換して日本にMA米の対外援助への活用を認める方針を打ち出した。
農林水産省の白須敏朗事務次官は19日の会見で、フィリピン政府からMA米20万トンの放出を求める要請を受けたと明らかにした。これを受け、政府は無償支援とするか、有償とするかなどを検討。また、農水省所管の社団法人が、国内の生産調整に伴う約5万トンの余剰米を売却する方向で調整している。
日本は世界貿易機関(WTO)の協定に基づきコメを一定量、海外から輸入する義務(ミニマムアクセス)があり、昨年10月末現在で約150万トン在庫がある。【工藤昭久】
毎日新聞 2008年5月20日 東京朝刊