少女時代から頑張り屋だった川田亜子さん(クリックで拡大) |
自殺した元TBSでフリーアナウンサー、川田亜子さん(享年29)の葬儀は遺族の強い希望で28日、都内で密葬形式で営まれた。川田さんが少女期をすごした石川県金沢市では、20年来の主治医がこれまで語られなかった素顔を明かした。
才色兼備のお嬢さんアナウンサー−少なくとも東京の放送関係者の一部では「苦労知らず」のように思われていたが、生い立ちをたどると、決してそうではない。
川田さんが小学校に上がったばかりの幼い頃から、歯科医として20年以上、親交を温めてきた金沢市の歯科医、竹中丈晴さん(62)は、ネットのニュースで伝えられた訃報に目を疑った。
「ピンと来なかった。まさかという気持ちばかりで現実とは思えなかった。最後に来た時は、まだふっくらしていたのにだいぶやせてしまって…。よほど人に言えないことがあったのか、相談できる人が周りにいなかったのか…。考え出すとかわいそうでやりきれない」と心境を語った。
川田さんは国立金沢大学教育学部付属小・中学校を卒業後、盛岡白百合学園高校に進学。幼稚園から中学までエスカレーター式の同付属だが、中学校から高校へは試験があり、3分の1しか入れない狭き門だった。
盛岡は母親の実家でちょうどこの頃、両親が離婚、父親は現在、富山県内で医院を開業している。川田さんには2人の兄がおり、次兄は3月に歯科大を卒業し、現在は金沢市内の病院でインターンをしている。
川田さんは東京に出てからも一貫して竹中さんの歯科医院に通い続けていた。「よそがなじめないのかどうかわかりませんが、年に1回はいつもお土産をもって定期検診に来てくれました」と律儀な一面もあった。
竹中さんの歯科医院兼自宅と川田さんの住んでいたマンションは近所にあった。海外出張中の川田さんから預かった愛犬を、母親が見せに来ることもあったという。化粧も特別にせず地味な印象の母親は、華やかな世界で活躍する娘を誇らしく思いながらも「早く結婚させたい」ともらしたこともあったという。
「テレビに出るようになってからも、うちに来るときは昔のままで、おごった所なんか一つもない。小さい頃からちゃんと挨拶ができる礼儀正しい子だったけど、『先生、こんにちは!』と元気いっぱいで診察室に入ってくる姿は変わらなかった。派手な外面は仮の姿。無理を重ねて疲れてしまったんでしょう」と涙ぐんだ。
最後に川田さんが来院した3月23日は、受付を通らずに直接入れる手術室を兼ねた個室を作るための改装の真っ最中だった。「亜子ちゃんみたいに目立つ人には個室を使ってもらえればこちらも気を使わずに済みますからね」と竹中さん。個室はゴールデンウィーク明けに完成した。
「今度、亜子ちゃんが来るときまでにVIP席を用意して待ってるからね」と声をかけると、「キャー!うれしい」と喜んでいたという。満面の笑顔が最後の思い出となった。
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