太平洋戦争で旧日本軍の捕虜になり、「バターン死の行進」や日本の炭鉱での強制労働を体験した元米兵のアリゾナ大名誉教授、レスター・テニーさん(87)=カリフォルニア州在住=が31日、中京区のハートピア京都で講演する。【太田裕之】
「死の行進」はフィリピンで1942年4月、日本軍に降伏した米兵捕虜や現地住民らが約100キロ離れた収容所まで水や食料の補給なく歩かされ、多数が死亡したとされる。テニーさんは生き延びたが、その後に福岡県大牟田市の収容所へ送られ、三井三池炭坑で終戦まで酷使された。
講演会は市民団体「戦争遺跡に平和を学ぶ京都の会」などが共催。「強制労働の思い出と日米友情への願いをこめて」との副題で話す。これまで数回来日して体験を語り、平和を訴えているが、今回の講演会事務局で大阪経済法科大アジア太平洋研究センター客員研究員の福林徹さん(60)=亀岡市=は「年齢的に最後の来日となると思われる。貴重な機会として多くの人に参加してほしい」と呼びかけている。
午後6時半から同8時半まで。参加費300円。問い合わせは福林さん(0771・24・6191)。
毎日新聞 2008年5月30日 地方版