「何で、水道管からドジョウが出てくるんや」−−。和歌山県湯浅町が町内の新築住宅2軒に、「水道水」として、ため池の水を供給していたことが分かった。水道管と防火用配水管を誤って接続していたためで、家に続く支管からは、ため池に生息していたドジョウが出てきたという。「水がにおう」と苦情を受けて判明したが、誤った水の供給は約2〜3カ月も続けられており、体調を崩す住人も出ている。町長らが住人に謝罪した。
湯浅町や関係者によると、同町青木地区に新たに造成された住宅地(3区画)に水道水を供給するため、町は07年11月、約3メートル離れた町道に埋設された水道管に支管を接続する工事を実施。しかしこの際、接続する管を誤り、防火用配水管に接続してしまった。二つの管の位置は上下15センチしか離れていなかったという。現場には町職員も立ち会っていたが気付かなかった。
被害に遭った2軒には住人が今年3、4月から居住。3月下旬に「水圧が低い」と住人から町に連絡があったが原因は分からなかった。さらに、5月27日になって「水道水の色やにおいがおかしい」と再度、苦情があった。町が蛇口の水を調べたところ、水道水に含まれるはずの塩素が検出されず発覚した。
2軒のうち1軒の乳児は腸炎で通院している。町は因果関係を調査するとともに、住民全員に病院で検査してもらう。町総務企画課は「初歩的なミスで、誠に申し訳ない。健康被害との関係が判明すれば、誠意を持って対処したい」と話している。【久保聡】
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