彦根市立病院の県内初の院内助産所で29日深夜、初めての分べんがあり、4人の助産師に見守られ、元気な女児が誕生した。医師不足で昨年3月から分べんを休止した産婦人科に約1年ぶりに産声が上がり、病院関係者らが祝福した。
同市西葛籠町の会社員、甲斐隼人さん(26)、加奈江さん(24)の長女望愛(のあ)ちゃん。加奈江さんは、2月から通院し、自由な姿勢が可能な畳の上での出産を希望した。29日夜に来院し、隼人さんと長男彪馬ちゃん(3)に見守られて、同11時22分に体重約2910グラムの女児を出産した。通常は助産師2人が対応するが、初出産のため他に助産師2人が付き添い、医師1人も待機した。
加奈江さんは彪馬ちゃんも同病院で産んでおり、「家族に見守られ、畳の上でとても楽に出産できました」。隼人さんも「貴重な体験ができました」と喜んだという。
助産所では9月までに7人が出産を希望している。【松井圀夫】
毎日新聞 2008年5月31日 地方版