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   ごっつウマ! たこ焼き大革命

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2007年4月18日放送

今回の番組について

今や全国区の人気を誇るたこ焼きについて、家庭でできる超おいしい作り方を大公開! 本場大阪で大評判の達人の技や、タコの生態までをも、ガッテン独自の実験で大解析! ポイントは、たこ焼きの中にあるものを入れるだけ。

オープニングクイズ

  • 問題:子供達が「たこ焼き」と名付けたあるものとは?
    答え:星
    ※北海道在住のアマチュア天文家が自ら発見した小惑星を子供達に命名してもらったところ、ついた名前が「TAKOYAKI」。地球からおよそ4億キロ離れた火星と木星の間にあるが、残念ながら非常に暗く地上から望遠鏡で見ることは極めて困難。
  • 問題:踊っているようにも見えるタコの動き、その意味は?
    答え:体のそうじ
    ※タコにとってエサをとる道具である吸盤の手入れは欠かせない。体を踊るように動かすことで、脱皮で生じた吸盤の皮を取りのぞいている。
  • 問題:大阪のたこ焼きの以前の呼び名は?
    答え:ラヂオ焼き
    ※大阪でタコを入れた「たこ焼き」が誕生したのは昭和10年。それ以前は、タコではなく、コンニャクや牛すじ、豆などを入れ「ラヂオ焼き」と呼ばれていた。名前の由来は「当時ハイカラな食べ物だった小麦粉と同じく、ハイカラの象徴だったラヂオをひっかけて」という説が最有力。

「いきなりプロ級 こんなの食っタコとない」

6人の大学生が「たこ焼き作り」に初挑戦! 最初は手に負えなかったものの、あるコツを覚えただけで、いきなりプロ級の出来になりました。

大学生3チームに5点満点でお互いに採点してもらったところ、コツを知らない1回目は0.5点、2.5点、3点で、「カチカチ・シコシコ・モチモチで美味しくない」という感想でした。

しかし、コツをおぼえた2回目は、いずれも5点満点になりました。つまり、たこ焼きとは、材料がまったく同じでも焼き方ひとつで激変する食べ物だったのです。

1回目と2回目の最大の違いは食感にあるというのですが、大学生がたった1回で会得したという極上の食感はどういうものでしょうか? また、それを生み出すコツとは?

「たこ焼きくんが行く!in大阪」

本場大阪で大人気の達人の技とは意外にも、ひっくり返しが中途半端だったり、作る過程で開いた穴に生地を継ぎ足してふさいだりと、一見雑に見えてしまうものでした。にもかかわらずやわらかくて美味しいのはなぜでしょうか?

達人のたこ焼きは、表面が「サクッ」、中が「ジュワッ」という、生地の食感にバリエーションがあることが最大の特徴です。なぜ、2段階の食感が生まれるのでしょうか? 実は、達人のたこ焼きにはあって、初心者のたこ焼きにはない“あるものの存在”が大きくかかわっていることが明らかになったのです。

達人 vs. 初心者 水に浮く?沈む?

ここで実験。達人のたこ焼きと素人のたこ焼きをそれぞれ5個水槽に入れてみると、達人は5個すべてが浮いたのに対し、素人は5個すべてが沈みました。いったいなぜ?

達人のたこ焼きの最大の特徴は、中に空洞があることです。多量の空気を含み、体積が大きいために、水に浮かびました。一方、初心者のたこ焼きは、空洞がほとんどなく、体積も小さく、「たこ団子」とでも呼ぶべきようなものでした。水に沈んでしまったのもこのためです。

素人は、作る過程でひっくり返したあと、丸くしようと何度も触ってしまいます。一方達人は、まず半分返して中の生地をドロッと出し、そこが固まるのを待ってからさらに半回転します。

つまり、空洞を作ることを意識して、わざと2段階に分けてひっくり返していたのです。さらに、1回目と2回目の返しの合間はほとんど触りません。その結果、空洞の有無という決定的な違いが生じたのです。

達人 vs. 初心者 内部温度は?

達人のたこ焼きと初心者のたこ焼き、今度は、焼きたてのときの内部温度を比べました。達人は102℃、初心者は85℃。なぜ17℃もの差があるのでしょうか?

達人のたこ焼きの内部は、空洞があることで「蒸した」状態となり、素早く温度が上昇し100℃前後で安定します。また、水分も十分に保たれます。一方、初心者の空洞のないたこ焼きは、温度が上がりにくいばかりか、多くの水分がたこ焼きの外に逃げてしまいます。

その結果、空洞のあるたこ焼き内部では効率よく「糊化(こか)」が起こり、外側とは全く違う「ジュワ」という食感になります。糊化とは、小麦粉に含まれるデンプンが水分と熱によって化学変化を起こし、糊のような食感に変わることです。

これにより、外は「たこ焼き」で「サク!」という食感に、中は「たこ蒸し」で「ジュワ!」という食感になります。2種類の調理法を巧みに使い分けることが、極上の食感「サク・ジュワ」を生み出す秘けつだったのです。

「驚いタ コのパワー」

タコ、イカ、ホタテ、エビ、それぞれをすりつぶして作った「たこ焼き」で食べ比べ実験をしました。結果は意外にもイカの勝ちでした。

科学的に分析すると、タコはイカに比べて味の濃さを示す総アミノ酸が少ないことが判明しました。ところが歯ごたえの面では、タコがイカに勝っていることもわかりました。その歯ごたえはどこから生まれるのか、タコとイカの体力実験を行うと、タコの大勝利でした。

タコの最大の魅力は「コリッ」とした歯ごたえです。イカやコンニャクと比べてみても、歯ごたえには歴然とした違いがあります。

生地の「サク・ジュワ」にタコの「コリッ」が加わった、「サク・ジュワ・コリッ」という豊かな食感のバリエーションこそが、たこ焼き最大の魅力といえるでしょう。

「激ウマ生地!最後のサクッ戦」

どの家庭にもある簡単な食材で、よりサクッとした食感のたこ焼きを作るコツを発見しました。プロをもうならせたガッテン流のたこ焼きの秘策とは、生地を溶く際に氷水を使うことです。

小麦粉の中には、サクサク感を邪魔する、グルテンというタンパク質が存在します。このグルテンには、低い温度では成長しにくいという特徴があります。ガッテンでは氷水を使うことで、そもそもグルテンができにくい環境を作り出すことに成功しました。

※ちなみにこの原理は、天ぷらをカラッと揚げたいときにも応用できます。

実習コーナー

サクジュワコリッ 達人も認めた「たこ焼き」(4人分)

写真・調理例

  • 生地の材料
    • 薄力粉 300グラム
    • 卵 3個
    • 氷水 1リットル
    • 塩 3グラム
    • 昆布だし(顆粒(かりゅう)) 小さじ2分の1
    • かつおだし(顆粒) 小さじ2分の1
    • しょうゆ 小さじ2
    • タコ(1個5グラムに切る) 300グラム
    • 油 適量
  • 作り方
    1. ボウルに卵、塩、昆布だし(顆粒)、かつおだし(顆粒)、しょうゆを入れて混ぜる。
    2. 氷水を入れてよく混ぜ合わせる。
    3. 小麦粉が「だま」にならないように何回かにわけてさっくり混ぜる。
    4. たこ焼きの鉄板をしっかり温め油をひき、[3] のたこ焼きの生地をいれてから、すかさずタコを入れる。
    5. 薄皮ができたくらいで半分ひっくり返し、いったん待ってから、更に半分返す。
      ※穴が開いたら生地を少し継ぎ足してふさぐ。
    6. たこ焼きがパンパンにふくらんできて、軽くなってきたらできあがり。
      ※サクッと感をより強めたい場合は油を少々塗るとよい。

※火加減について:生地を入れる際には強火、ひっくり返す際に中火に落とし、完全にひっくり返ったところで強火に戻します。
※今回は顆粒だしを使いましたが、きちんとだしをとったものでも、もちろんおいしくできます。
※油をごま油やオリーブオイルなどに変えると風味が変わりまた違った美味しさになります。

オリジナルソース・二杯酢(4人分)

写真・調理例

  • 材料
    • だし(昆布とカツオ) 150ミリリットル
    • しょうゆ 大さじ1
    • 酢 小さじ2
  • 作り方
    • 材料を合わせてできあがり。

※好みで七味をかけて食べても美味しい。

オリジナルソース・おすまし(4人分)

写真・調理例
  • 材料
    • だし(昆布・カツオ) 800ミリリットル
    • 塩 小さじ2分の1
    • しょうゆ 小さじ1
  • 作り方
    1. だしに塩、しょうゆを入れておすましを作る。
    2. たこ焼きを浮かべて食べる。

※お好みで木の芽やユズをいれるとさらにおいしい。

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