去年6月25日、北九州八幡東病院は「看護師が、認知症の高齢者4人の爪をはがす
虐待を行っていた疑いが高い」と記者会見で発表。この看護師を懲戒解雇し、「傷害」
で刑事告発した。すでに捜査を進めていた警察も7月2日、傷害容疑で逮捕に踏み切った。
2004年10月、京都市の病院でも「看護師がストレスから患者の生爪をはぐ」という
事件があり、傷害罪による実刑が確定していたことから、「またしても、医療現場で
悪質な虐待が!」として報じられたこの事件。
ところが、事実関係を精査していく中、意外な事実が明らかになってきたのだ。



事件のあった病院前の長野キャスター

患者や同僚からの評判も非常に良かったという被告の看護師が涙ながらに
訴えた言葉…「私は患者さんが好きだったから、ずっと看護師をしてこられた。
その患者さんを虐待するはずがない。絶対に虐待などしていない」

担当の弁護士は「被告は爪の専門知識があり、一生懸命、患者のためにケアをしていた
ため、かえって“爪はがし”として、虐待の疑いをかけられてしまった」と主張。
日本看護協会も「虐待などではなく、経験知に基づき、患者のためを思った看護ケアだ
った」との見解を発表し、被告の支援を打ち出した。

被告の行為が“虐待”でなかったとしたら、一体なぜ、彼女は起訴されてしまったのか?
病院の対応や警察の捜査、さらに「虐待」と認定した行政の対応に問題はなかったのか?
そして事件の背景に何があったのか?

番組では、被告本人や病院関係者などを長野智子キャスターが取材。
多角的な取材の中から、事件の意外な姿が浮かびあがってきた…



沖縄で繰り返された米兵による少女暴行事件が日本中に波紋を呼ぶなか、横須賀市で
おきたタクシー運転手刺殺事件でも、米横須賀基地所属水兵が強盗殺人容疑で逮捕された。

一方国会では、在日米軍経費の日本側負担(思いやり予算)に関する現行日米特別協定
が3月31日に期限切れに。(4月25日国会で承認)高村外相は「日米関係、アジア太平洋
地域の平和と安定に重要な意義を有する」と承認を求めていたが、野党から
「説明のつかない負担がある」として反対論が浮上した。

このように在日米軍を取り巻く状況が一層厳しくなるなか、その一方で「在日米軍再編」
作業は進められており、グアムへの米沖縄海兵隊移転の基礎準備も着々と進捗している。
しかし移転に絡む約60.9億ドルにのぼるとされる日本側負担の根拠についてなど、
疑問の声も一部に上がっている。

こうした在日米軍再編や思いやり予算に日本が膨大な費用を負担する意味とは
「思いやり予算」の使途に本当に問題はないのか?
アメリカが在日米軍を再編する真の狙いは何なのか?
そして、日本はいま、どこへ向かおうとしているのか?



グアム上空からリポートする鳥越キャスター

番組では、こうした「在日米軍再編」に関わる様々な問題を徹底追跡。
鳥越俊太郎が、鍵を握る<沖縄>と<グアム>に飛び、その実情を緊急取材。
さらに在日米軍再編をめぐる様々な疑問への取材を通じて、核心と言うべき、
米国側の再編意図と日本の思惑、そしてその背景にある「狙い」に迫る。



■  看護師は患者の爪をはがしたのか…“虐待事件”の真実
     “虐待”でなくて、ケア
     なぜ、“患者虐待”になってしまったのか
【約24分】
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※「総力検証…思いやり予算 在日米軍再編」については、映像版権等の事情から公開致しません

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