首都圏放送センター

2008年5月30日 23時55分更新

獣医師に業務停止3年の処分


手術をしないと危ないなどとうそを言って、ペットに対して必要のない手術や検査を繰り返し、不正に治療費を得ていたとして、東京・多摩市の獣医師が、業務停止3年の処分を受けました。動物の診療行為をめぐって、国が獣医師に業務停止の処分を出すのは初めてです。
業務停止3年の処分を受けたのは、東京・多摩市鶴牧の「多摩センター動物病院」院長の鳥吉英伸獣医師(41)です。
農林水産省によりますと、鳥吉獣医師は、平成15年から16年にかけて、手術をしないと危ないなどと飼い主にうそを告げた上で、ネズミの仲間のチンチラに、必要のない手術をして死なせるなど、ペットに対して、必要のない検査や手術を5件繰り返し、不正に治療費を得ていたということです。これらの5件については、今年3月、民事裁判で損害賠償命令の判決が確定しています。
動物の診療行為をめぐって、農林水産省が獣医師に業務停止の処分を出すのは初めてだということです。
獣医師の監督をしている東京都によりますと、鳥吉獣医師については、平成15年に開業した翌年から、飼い主への説明が十分でないなどといった苦情があわせて91件寄せられていて、都はこれまでに、11回の行政指導を行い、立ち入り検査などもしてきたということです。