肖像権についての私見
2007.12.16 │ 井の頭恩賜公園 │ Nikon D300 │ AF-S VR 18~200mm F3.5~5.6G │ 170mm │ F7.1 │ 1/200秒 │ 露出補正:0段 │ ISO200
WB:オート │ JPG LARGE NOMARで記録 │ Pコントロール:スタンダード │ A・Dライティング:標準 │ オリジナル画像


この画像を撮った16日には、井の頭公園の紅葉は終わりかけていた。
真っ赤に色づいたもみじは、ぽつんぽつんと残っているだけだった。
前回のカエルの画像を撮った井の頭自然文化園(分園)のボランティア説明員の話によると先週が見ごろだったとか。残念。

この日は日曜でフリーマーケットが行われていたが、オリジナルのポストカードや書籍を並べてある露天のブースを前景に風景を撮ったら(担当者は写り込んでいない)担当者がすぐにやって来て「肖像権がありますので」と満面の笑顔で拒否された。

「肖像権」を主張されると何かこちらが悪いことを行っているように受け取れるがそれを定めた法律がないのは衆知の通りだ。
何を考えこのブースの担当者が肖像権を主張したかわからないが、皆が楽しむための公園でオープンに物品を販売していて、スナップを撮っている撮影者に肖像権を声高に主張するのはどうかと思う。
確かに、デジタルの時代にあってネットにアップされ「知られたくない情報を知られたくない人に伝えられる」恐れがあることはわかるが、それが行き過ぎると全ての被写体にモザイクをかけなければならなくなる。

肖像権に関してはどこに一線を引けばいいのか現時点でははっきりとした答えはなく最終的には裁判所に任せるしかない。
大きく写りこんだ人物の顔に関しては了解のない画像のアップを控えておくのがネットでは通例になっていて私もそれに習っているが、これとて別にそれが正しいと決まったわけでもなく「皆がそうするから自分もそうする」といった現代日本人特有の思考停止機能がはたらいている可能性も大いにある(ただし一般人の「顔」と姓名など「本人を特定する情報」とを本人の許可なく併載した場合は別で、これは明らかにプライバシーを侵害していると思う)。

私がコメント欄で論破したことが原因で粘着するようになったと思われる「粘着くん」がこのブログに張付いてコメント欄を荒らしているが(他の人が見たら気味悪がるので削除している)、彼がたびたびバッシングしているのが過去記事「D300への道15 最終回 見つめる」に掲載した老人の顔の画像だ。
この画像のプライバシーに関しては「横顔で両目が写っていない」「目がほとんど閉じている」「帽子を被っている」の理由でプライバシーが守られていると判断し掲載した。
またコメント欄でもはっきりと粘着くんにレスしたが(現在アラシの対象になっているこの記事のコメント欄は一時的に閉鎖)、「指先を一心に見つめる薄汚れた身なりの老人を最新のカメラが捉える。彼はいったい何を見つめているのだろう・・・・ハナクソである。直前まで豪快に鼻をほじっていた」という記述は一字一句事実である。粘着くんが指摘した誹謗中傷(根拠のない悪口で他人の名誉を汚し、貶めることをいう:goo辞書より)には当てはまらない。また「鼻くそをほじるという恥ずかしい行為をネットにアップするのは失礼」という意見があるならば、「電車内という公共の場所」で「恥ずかしい行為」をしなければいいだけのこと、と答えておく。
また、この記事をアップした私の意図は「色々な受け止め方ができるようにした」とだけ書いておき、後の判断は皆さんに任せることにする。自由に受け止めてもらっていいし批判するのもいい。「これこれこういう狙いで掲載した」と作者が説明するのは受け手のイマジネーションを限定する野暮な行為と考えるからだ。



以前ドイツで撮影したさい、見知らぬ通行人にカメラを向けるとそれに気付いた本人が満面の笑顔をコチラに向けてくれることが度々あり驚いた。中には綺麗な女性に「ストップ」とゼスチャーされたので「拒否かな」とがっかりすると、ささっと衣服や髪の乱れを直してからカメラに向き直りニッコリ笑ってくれたこともあった。
日本ではあり得ないことだ(子供は別だが)。
Wikipediaの「肖像権」の項目に「米国においては、被写体の肖像権よりも、写真などの撮影者や、それらを加工した編集者の権利が最優先されるという考え方が一般的である」という記載があるが、国によって「肖像権」に対する意識が大きくちがうのだろう。

肖像権を巡るカメラマンと被写体(もしくは面白半分でカメラマンを攻撃するネット住人たち)のせめぎ合いは永遠に続くと思われるが、カメラマンも主張すべき時は主張すればいいと思う。
今回私はとっさに、




「すみません」




と誤ってしまったが(泣)




Photobra@意外と気が弱い(泣)




肖像権 - Wikipedia
誹謗中傷 - goo Wikipedia (ウィキペディア)
D300への道15 最終回 見つめる
by Photobra | 2007-12-19 18:48 | 写真について | Trackback
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