神戸放送局

2008年5月30日 19時11分更新

テント200張 支援チームも

中国の四川大地震で被災者の避難所として使用するテントが不足していることから、阪神・淡路大震災を経験した兵庫県は、緊急時のために備蓄しているテント200張を被災地に送りました。
送られたテントは広げると幅3メートル、奥行が5メートルほどで10人程度が入れる大きさで、兵庫県が備蓄している700張のうちの200張です。
兵庫県は今月23日に神戸市とともに毛布1500枚を送りましたが、その後、中国側から「テントが不足している」との連絡を受けたため、無償で提供することを決めました。
県の職員が30日午前中から三木市にある総合防災公園で、トラック6台にテントを詰め込み、現地で組み立てやすいよう中国語に翻訳した説明書も合わせて荷物に入れていました。
この後、公園を出発したテントは関西空港で待機し、航空便の手配が済み次第、中国に向けて飛び立つということです。
兵庫県の大西孝防災監は、「兵庫県は阪神・淡路大震災で世界中から支援を受け、そのお返しをする務めがある。
被災者はまず住まいを安定させ、元気を出して復興に乗り出してほしい」と話していました。

一方神戸市は、四川大地震の復興支援にあたるチームをつくり、中国側から要請があればすぐに派遣できるよう準備を進めることになりました。
それによりますと神戸市には、四川大地震の発生直後から、中国の研究者などから13年前の阪神・淡路大震災の経験や教訓を教えて欲しいとの問い合わせが寄せられているということです。
このため、市では中国側に阪神・淡路大震災の復興の課題などを記録した「神戸復興誌」などの資料を送ると共に、復興支援にあたるチームを作ることを決めました。チームは、市の職員やOBなど5人程度のメンバーで、医療やまちづくり、それに教育や住宅再建などおよそ10の分野について、つくられる予定です。
神戸市では、中国側から要請があればすぐに派遣できるよう準備を進めたいとしています。
矢田市長は、「震災の被災地として経験や教訓を伝えるのは、責務だと思う。
今後も、どのような支援ができるか考えていきたい」と話しています。