産婦人科の常勤医が、7月から1人体制になる大田市立病院の医師と市民が28日夜、市役所で直接対話した。
対話には、産婦人科部長の槇原研医師(47)と医療対策課の岡本彰弘課長、母子保健推進員ら計20人が出席。質疑応答で槇原医師は、常勤医公募という取り組みに対し島根大医学部からバックアップがあり「1人で頑張ってみよう」と決心したことを紹介。しかし、分娩(ぶんべん)に伴う医療リスクの高さを1人で担う精神的負担は1年が限度とした。
また、島根大学医学部からこの5年間、産婦人科医が出ていない現状などを説明。槇原医師は「若い人の目をどうしたら島根に向けさせるか。古里を大事にしようという教育から始めていく必要がある」と訴えた。また推進員には、豊かな経験で若い妊婦の自己管理をサポートし、出産リスクの軽減を手助けしてもらえるとありがたいと協力を願い、「若者たちが医療職を目指すような運動を展開して欲しい」と望んだ。
推進員の佐藤京子さん=同市大代町=は「自治会連合レベルで署名を集め、常勤医補充に向け努力したい」と話した。今後も対話の機会を持ち、市民の力で地域医療を守る風潮を盛り上げていく。【船津健一】
毎日新聞 2008年5月30日 地方版