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自民党:消費税率巡り論戦激化 税制改革議論、週内にも本格化

 自民党は週内にも税制の抜本改革に向けた議論を本格化させる。最大の焦点は消費税をめぐる駆け引きだ。谷垣禎一政調会長や与謝野馨前官房長官ら「財政再建派」が税率引き上げに向けた論陣を張る一方、経済成長重視の「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は強く反発。福田康夫首相が立場を明確にしない中、党内を二分しかねない路線対立は激しくなっている。【三沢耕平】

 「増税や規制強化は正しいという一大勢力が存在する。彼らは『鎖国派』だ」

 中川氏は26日の札幌市での講演で、「財政再建派」への対抗意識をあらわにした。

 今月に入り、中川氏は党内各派のパーティーであいさつする際も増税論者をけん制。12日の伊吹派パーティーでは、同派の前身が旧中曽根派であることに触れながら「中曽根康弘元首相が唱えた『増税なき改革』を考えるべきだ」と訴えた。

 旧宮沢派(宏池会)の流れをくむ古賀、谷垣両派の13日の合流パーティーでは、宏池会の創設者である池田勇人元首相の所得倍増論を引き合いに「宏池会は成長の旗を降ろしたのかと心配になる」と述べた。

 これに対し、党幹部からは消費税引き上げの地ならしと受け取れる発言が相次ぐ。

 「多くの国民は米国ほど低福祉でいいとは思っていない。その負担をどう整理するかが一番の重要課題」。谷垣氏は26日、東京都内で講演し、膨らむ一方の社会保障費の財源に消費税率の引き上げは避けられないとの認識を示した。

 与謝野氏も16日の講演で、「上げ潮派」を念頭に「私も選挙で『税金をまけます』と演説したいが、それでは不誠実だ」と指摘。伊吹文明幹事長らも再三、消費税率アップの必要性に言及している。

 それでも中川氏の鼻息が荒いのは、党内には次期衆院選を見据えた「有権者の反発を招く消費税問題には触れてほしくない」(中堅議員)という空気が強いためだ。谷垣氏に近い議員からは「消費税率の引き上げを置き土産にできるなら下野しても構わない」との声すら上がっており、衆院選をにらみつつ、今後、党内の摩擦に拍車がかかる可能性がある。

毎日新聞 2008年5月27日 東京朝刊

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