恒仁会新潟南病院(新潟市中央区)に入院していた男性患者(当時64歳)が昼食をのどに詰まらせて死亡したのは病院側が注意義務を怠ったからとして、遺族が同病院を運営する恒仁会(同区)に慰謝料など3080万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、新潟地裁(山崎まさよ裁判長)であった。山崎裁判長は「食事を観察するなどの注意義務を怠り、気道を詰まらせた」として病院側に計528万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は03年4月13日、入院していた同病院で昼食のゼリーやジュースをのどに詰まらせ、気道閉塞(へいそく)で死亡した。判決は「男性は脳出血の後遺症や食道がんでのどを詰まらせやすい状態にあったのに、病院側は計約50分間にわたり目を離していた」と、注意義務を怠ったことが原因と認定した。
同病院の酒井則広事務長は「判決文を見てから対応を検討したい」とコメントした。【岡田英】
毎日新聞 2008年5月30日 地方版