【ロサンゼルス=猪瀬聖】「物言う投資家」として日本の企業統治にも影響を与えた米最大の年金基金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)が揺れている。経営幹部が相次いで辞任を表明、投資失敗も表面化した。投資方針の見直しやそれに伴う内部対立が背景とも言われ、市場の関心を呼んでいる。
4月末、ブエンロストロ最高経営責任者(CEO)が突然、退任を表明した。同氏はCEOを6年務めたが、58歳と引退するには若い。その1週間前には、44歳のリード最高投資責任者(CIO)が退任表明。2年前に民間から招かれたばかりだった。5月の理事会で急きょ、暫定CEOを内部選出したものの、正式なCEOが決まらず、想定外の流出の余波が続いている。
(09:53)