自衛隊機派遣、当面見送り  中国と調整つかず

　政府は、中国の四川大地震被災者に救援物資を輸送するための航空自衛隊輸送機派遣を当面、見送ることを決めた。３０日未明、政府筋が明らかにした。理由は明確ではないが、中国側との調整がつかなかったとみられる。同筋によると、民間チャーター機での輸送は実施するという。自衛隊機の派遣はあらためて協議するとみられるが、２国間関係に影響を与える可能性もある。

　政府は中国側の要請を踏まえ、派遣に向けた国内の準備作業を本格化。防衛省は空自小牧基地（愛知県小牧市）から、Ｃ１３０輸送機を被災地に近い成都空港に向けて３日間で延べ８便を運航することを想定、３１日にも出発できる態勢を整えていたところだった。

　また輸送物資が大量になることから、民間チャーター機の利用も併せて検討していた。

　外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長は２９日、北京で武大偉中国外務次官と会談。武次官は日本の災害救援活動に対し「非常に感謝している」と述べたが、具体的な派遣計画はまとまらなかったという。