自衛隊機の中国派遣は、両国関係好転の表れというきれい事より、抜き差しならぬ危機に対する被災地からの悲鳴のように聞こえる 事態は「自力更生」や反日感情というメンツや建前では立ち行かぬほど深刻なのだろう。被災者は想像を絶する4500万人以上。生活物資や医薬品がはるかに足りず、二次、三次災害の危機も高まる。刻々伝わる被災地の様子に胸の痛む日が続くが、なぜか届かぬ情報も少なくない 核関連施設が集中する被災地で未回収の放射性物質がある、と先ごろ報じられた。危険な物質はあれから回収されたのだろうか。恐ろしい放射能漏れが起きてはいないのか 被災地からの悲報や奇跡の生還は、ほとんど漢民族の話である。震源地周辺に多く住む少数民族はどうしているのだろう。チベット騒乱で反政府デモをした人々にも、救助・救援の手は公平に届いているのだろうか。届かぬ情報に、強大な国家の影がちらつく 困ったときの助けほど、身にしみるものはない。日の丸救援機は、かたくなな反日感情を和げる期待も乗せて飛ぶのだろうが、そううまく事が運ぶだろうか。
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