大阪市の高級料亭「船場吉兆」が廃業に追い込まれた。相次ぐ食品の偽装表示に加え、客の食べ残しの使い回しが発覚し、なじみ客にも見放された。
再建を目指し、のれんの信頼回復に執念を見せていたが、老舗への信頼を裏切った行為とともに謝罪の不手際も響いた。会見での経営陣の責任転嫁や言い逃れが次々暴露される失態を演じた。
船場吉兆に限らず企業の幹部らが並んで深々と頭を下げる光景が後を絶たない。謝罪会見の印象度が再出発を左右するとして、専門家から謝罪や受け答えの手ほどきを受けているケースも多いという。
「その日本語が毒になる!」(吉村達也著)がいくつか例示している。頭を下げている長さや、頭を上げた瞬間の表情に注意する。さらには、自信なく見えるから質問に経営陣は顔を見合わせないなどだ。「他社の失敗例から得たノウハウがかなり蓄積されている」という。
真の謝罪とは頭を下げて無難な発言をするだけではない。責任の取り方や、原因究明、再発防止への取り組みを具体的に語り、誠心誠意実践していくことだろう。何よりも、うそや隠し立ては禁物だ。
名声にあぐらをかかず、利益優先に走らず、顧客との信頼関係を築き続ける。その強さこそ、他社の失敗例からくみ取るべきものといえよう。