アフロ田中とフェアトレード
毎週月曜日発売のマンガ雑誌「ビッグコミック・スピリッツ」に「上京アフロ田中」というギャグマンガが連載されています。
アフロヘアの田中という青年が主人公で、北関東辺りの普通の若者の、青春ゆえのちょっとお馬鹿な、なんてことはない日常生活をおもしろおかしく、上手く描いたマンガです。
普段は、女の子との恋愛やセックスの悩み、そして友だちや職場の人たちとのやりとりが主なテーマなのですが、今週のテーマは、なんと「フェアトレード」です。
しかも、フェアトレードにエロビデオが絡む、見事な展開をみせてくれます。
主人公の田中は、高校中退後、上京して就職し、アパートで一人暮らしをしています。
そのアパートの部屋で、たまたま見ていたテレビで、フェアトレードのことを知ります。
地球の裏側で、奴隷のように働かされる子供たちの映像を見て、搾取という大きな社会問題に直面するのですが、職場の先輩から不要になったPS2をもらうことになり、これでエロDVDが見れるということで、奴隷農場の子供たちのことはすっかり忘れて、レンタル・ビデオ店に行きます。
しかし、ビデオ店でエロDVDを物色しているうちに、ふと子供たちのことを思い出し、AV女優もまた搾取されている存在なのではないかと考え始めます。
そして、エロDVDもまた、フェアトレードであるべきだと考えます。
ネタバレしちゃいますので、あまり詳しくは書きませんが、このエロDVDとフェアトレードの関係に思いをはせているうちに、昔、引っ越しをした時の母親の言葉を思い出し、それがフェアトレードについて語っていたことに気づきます。
つまり、今週の「上京アフロ田中」は、フェアトレードとエロDVDと引っ越しの三題噺となっているわけです。
どんな展開になっているかは、ぜひ読んでいただきたいのですが、社会貢献ネタを、普通の若者のなんてことのない日常の一コマに、これほど上手く、さりげなく、無理なく挿入し、しかもちゃんと笑わせる。こんなマンガは見たことがありません。
社会貢献はエンタテインメントでもあると、昨日の記事に書きましたが、今週の田中は、見事な社会貢献エンタテインメントになっています。
社会貢献に関するさまざまな手法は、確実に進化しているようです。(竹井)
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コメント
サイコーでしたわ
「ビッグコミック・スピリッツ」なんて長らく立ち読みさえしなくなってたけど
これを機にアフロ田中だけでも立ち読みくらいはしたくなりました
極上のグローバルグッドニュースでした
あなどれん、というより尊敬しちゃいました
コミックとそれを読む若者のセンス
投稿 大浦 | 2008年5月27日 (火) 16時01分
こんにちは!!
>極上のグローバルグッドニュースでした
極上の褒め言葉、ありがとうございます。
この記事をグッドニュースと捉えてもらえるとホント、うれしいです♪
アフロ田中の今後にも期待ですね!!
個人的には、ゴルゴと社会貢献の絡みを読みたいです (>_<)ゞ
投稿 竹井 | 2008年5月28日 (水) 02時53分