サッカーのJリーグ川崎の我那覇和樹選手がドーピング(禁止薬物使用)規定違反で受けた処分を無効とするスポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定を受け、制裁金1000万円を科されていた川崎の武田信平社長が29日、東京都内のJリーグ事務局を訪ね、制裁金の返還を求めた。しかし、Jリーグは「今のところ返す論拠がない」(羽生英之事務局長)と拒否した。
同事務局長によると、JリーグはCAS裁定では我那覇の受けた静脈内注入(点滴)が正当な医療行為だったか否かの判断がなされていないと解釈。その上で、同事務局長は「われわれはドーピング違反があったと認識している」と主張、さらに「(裁定)全体の論旨からすればわれわれは間違っていない」との論理を展開した。これに対して川崎の武田社長は、「(裁定を)しっかり読み込む」と、独自の分析を行う意向を示した。
一方、武田社長は国際サッカー連盟(FIFA)のドーピング違反選手リストから我那覇の名前が除外されるよう協力を要請したが、これについてJリーグ側は前向きな姿勢を示した。
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