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【コラム】撤去された韓国人特攻隊員の慰霊碑(下)

 韓国メディアでほとんど報道されていないこの事件に、多くの日本人がショックを受けているようだ。数日前、学術会議出席のためソウルを訪れた日本の大学教授の一行と夕食を共にしたときもこの事件が話題になった。誰かが「慰霊碑は再び元通り設置されるでしょう?」と慎重に話しかけてきたため、「遺族は韓国にいるのだから、世論が熟せば誰かが慰霊をするのではないでしょうか」と答えた。すると、困惑するような質問が矢継ぎ早に向けられた。

 「在日韓国人が多数携わっているパチンコ業界の“勝率を上げてやれ”と韓国政府が要求したのには本当に驚いた」「在日韓国人の参政権問題もそうだ。内政問題ではないか」「韓日間の貿易不均衡は経済構造問題なのに、目標値を決めて減らすことが可能なのだろうか」-。この中の一人は、記者(鄭権鉉〈チョン・グォンヒョン〉)が2カ月前に東京特派員勤務を終え、帰国する前に会ったとき、「韓国の復元力はやはり素晴らしい」と言い、李明博(イ・ミョンバク)大統領就任以降の韓日関係に期待を寄せていた。だが、今回会ってみると「韓日間のチャネルは貧弱すぎる」と言った。要するに、「韓国で再び保守政権が誕生し、非常に期待していたが、期待が大きすぎたようだ」という意味だ。

 これまで、政権が変わるたびに韓日関係は「未来指向」「新時代」というスローガンばかり目に付いた。だが、結局お互いの期待は失望・幻滅・嫌悪へと変わる悪循環を繰り返してきた。ある人は言った。「民間交流が活性化すれば、悪循環を断ち切れる」と。もちろん、両国間の交流活性化で、相手に関する情報は双方とも爆発的に増えた。しかし、今回の慰霊碑事件でも分かったように、根底にある相手の「価値観」について、このように無理解で無関心な状況では、どの問題も解決は容易ではなさそうだ。

社会部=鄭権鉉(チョン・グォンヒョン)次長

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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