ドクター月尾 地球の方程式
ドクター月尾 地球の方程式
〜 放送時間:毎週月〜金 5時20分頃から 〜
ドクター月尾 地球の方程式

                
【 '07年1月8日〜1月12日 放送 】
【 テーマ 】 「日本が世界に誇れるナンバーワン」
 1月8日(月) 「ブログ社会の共通語は日本語」

新年を迎え、日本人に元気になってもらおうということで、2007年最初のテーマは日本が世界に誇れる「ナンバーワン」です。内に秘めている日本の底力を紹介します。まず、最初のナンバーワンは携帯電話のブローバンドの利用者数です。国際電気通信連合の2006年版インターネット報告によると、第3世代携帯などの携帯電話を使ったブロードバンドの2005年利用者数は世界全体で約6000万人。うち日本人は約1800万人で首位でした。カメラ付き携帯・お財布携帯など機能付き携帯も世界で圧倒的な利用率を示しています。最近では「ケータイ小説」なるジャンルも登場し、大ヒット作も生まれています。

2006年はTIMEが「今年の人」を「あなた(you)」としたということからもわかるように、「Web2.0」躍進の年でした。「Web2.0」で大変話題になったのが「YouTube」です。実はその躍進の影には日本人がいました。1人当たりの「YouTube」へのアクセス時間と訪問回数は、アメリカを抜いて日本が世界一です。

また、日本はブログ大国でもあります。米ブログ検索サイトTechnoratiによる調査では、検索対象としている5700万のブログの中で、使われている言語の約33%が日本語でした。世界のインターネット上の言語比率から考えると圧倒的な数字です。

この調査によれば、日本人ブロガーの特徴は短い文章を頻繁に書いているそうです。昔から日本人の書く小説は『私小説』であるという評価もある程、日本人は日記や自分の体験談を書くことが得意だといわれています。日本人がブログ好きということの背景には、その国民性が表れているのかもしれません。

 1月9日(火) 「『長寿世界一』を支える医療と食文化」

2006年のWHO世界保健報告で日本人の平均寿命は男女平均が82歳で世界一になりました。さらにWHOは、日本の平均寿命は今後さらに延び、2030年には日本人女性が88.5歳と世界一を維持すると予測しています。寿命が世界一になったのは意外にも最近のことです。1900年頃の平均寿命は40歳代でした。平均寿命はこの100年間で2倍強に伸びました。

理由としては、日本の医療水準が上昇したことだといわれています。WHOの国民の健康達成度の総合評価は、日本が世界一です。GDPに占める医療費の割合はOECD加盟国では18位と、医療水準が高い割には医療費が安く、その点が評価されています。

もうひとつ長寿に貢献している要素は「日本食」です。以前、番組でも紹介した「マグガバン・リポート」でも「世界で唯一見習うべき食事」は「バランスのとれた日本食」と評価されていました。寿司ブームなど、世界から注目される日本の食卓。まさに日本が世界に誇るにナンバーワンですね!

 1月10日(水) 「世界一の日本のコンテンツ『Cool Japan』」

これからの社会は、「知的財産立国」として躍進することが必須となっています。米国のトムソンサイエンティフィック社が、引用回数が多く、影響力が大きいと考えられる学術論文「Hot Paper」のランキングで(2004-2005年)、世界一となったのは、大阪大学の審良静男教授でした。この他にも、4位までに3人の日本人が名を連ねています。

もう一つ「知的財産立国」に欠かせないのが「特許」です。その特許申請数でも世界一です。

しかしこれには課題も多く、日本は有効特許件数では世界6位という数字で、十分活用はされていないのが現状です。

日本が世界に誇るナンバーワンはまだまだあります。ゲームソフトやコミックなどのコンテンツ産業です。世界で「MANGA」といえば日本のマンガ、「ANIME」といえばディズニーなどの海外のアニメーションではなく日本アニメのことのみを指すそうです。日本生まれのテレビゲームは「VIDEO GAME」として世界中に普及しています。欧米で発行される日本マンガの書籍や雑誌は、日本と同じ「右とじ」に製本されているほどです。今や日本マンガは、欧米の出版産業や読書のスタイルさえも変えてしまう勢いがあるようです。

 1月11日(木) 「日本人は世界一きれい好き」

海外旅行から帰ってきた時に、日本の空港のトイレがきれいだと改めて感じたことはないでしょうか。実は日本の空港のトイレは世界一清潔です。イギリスの航空関連調査会社「スカイトラックス」が実施した2006年「世界の空港ランキング」で、関西国際空港がトイレ部門で1位、成田国際空港も2位に入っています。

さらに、日本は、「世界で最も自動販売機が普及している国」なんです。台数ではアメリカに劣りますが、人口や国土面積を考慮した普及率は日本が世界一です。自動販売機には現金が入っていますので、自動販売機が多く設置されているということは、日本が安全であるということにもなります。近年、日本の「治安神話」が崩壊したと言われますが、自動販売機の数から見れば、いまだに健在というわけです。

さらに日本は「世界一ソムリエが多い国」です。ワインの本場フランス、イタリアではソムリエが国家資格なので、それぞれ2000人程度です。しかし、日本では1万1513人(2006年10月)、しかも年1回の受験で約1000人ずつソムリエが誕生しています。

最後に、日本は「ティッシュ・ペーパーの消費量」でも世界一です。欧米では鼻をかむのにハンカチをつかうことが多いですが、日本人はティッシュを使います。町を歩けば無料でポケットティッシュが配られています。消費量は1人当たり年間17箱だといわれています。環境問題を考えれば、「使い捨て」精神は考え直すべきかもしれませんが、世界一清潔好きな国民であることは間違いないようです。

 1月12日(金) 「世界で一番のお金持ちは日本人」

国連の研究機関が発表した「世界の個人の富の状況」調査で、日本は世界で最も豊かな国となりました。それによると、世界中の家計の富を合計すると125兆ドル。国別に見ると、日本は1人あたりの富が18万1000ドル(約2000万円)でトップでした。この調査では不動産や預貯金、株式など個人の資産から借金などの負債を差し引いたものを「富」と定義しています。世界一の理由には日本の土地が高いということが関係しているようです。

戦後、日本の経済は驚異的な速さで復興し世界を驚かせました。同時に日本人は「エコノミック・アニマル」として嘲笑されてきました。スーツを着てメガネをかけたステレオタイプな日本人像が世界からみた日本人でした。しかし、そのイメージは変わりつつあります。1979年にエズラ・F・ヴォーゲルが『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を発表し、「日本から学べ」というキーワードが社会現象となりました。今、再び「新しい日本」を掲げ、世界に誇れるナンバーワンをアピールしていくことは重要です。謙虚な精神で今後さらに「ナンバーワン」を増やしていきたいですね。


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