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名神で高速バス全焼、乗客乗員61人が避難

2008年05月29日

 28日午後11時55分ごろ、大津市膳所雲雀丘町の名神高速道路上り線で、路肩に停車していた西日本ジェイアールバス(本社・大阪市此花区)の大阪発東京行きの高速バスから出火。約1時間後に消し止められたが、バスは全焼した。乗客60人と男性運転手(41)は火が出る直前に避難し、けがはなかった。

写真名神高速道路の上り線で炎上するバス=29日午前0時36分、大津市、白井弘幸さん撮影

 滋賀県警高速道路交通警察隊の調べでは、走行中に車両の異常を知らせるブザーが鳴り、運転手がサイドミラーでバス後部から黒煙が出ているのを確認。路肩に緊急停車させ、乗客を誘導して降ろした約10分後、エンジン付近から火の手が上がったという。

 バスは28日午後10時40分にJR大阪駅を出発し、29日午前8時20分にJR東京駅に着く予定だった。出火したのはドイツのバス車体メーカー「ネオプラン」社製の2階建てバス。06年6月から「青春メガドリーム号」としてJR大阪駅―JR東京駅間で運行していた。

 乗客は後続の東京行きバス5台に乗り、29日午前にJR東京駅やJR新宿駅に着いた。大阪でのコンサートの帰りに乗った千葉市の渡辺裕美さん(32)によると、緊急停止した直後、運転手が車内放送で「車両火災です」と告げた。照明が落ち、車内は真っ暗。乗客らは「気をつけて」「落ち着こう」と声をかけ合いながら避難した。渡辺さんは「火の勢いが強く、バスのドアが溶けていくのが見えた。雨の中、傘もささずに30分くらい路上で震えていた。しばらくは怖くてバスに乗れない」と話した。

 友人と関西旅行から帰る途中に事故に遭った東京都世田谷区の三瓶雄大(ゆうた)さん(21)は「2階のすぐ後ろの席でにおいがして、運転手に教えにいった。バスが止まって外に出るころには、煙がかなり充満していた」。大阪府豊中市の女性(25)は「バスから降ろされて路肩で待っている間は、どしゃぶりで寒かった。燃えている様子を見てこわかった」と話した。

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