唐津市の周産期医療対策委員会(夏秋洋一委員長、8人)は28日、6月1日から予定していた唐津赤十字病院産科医の2人体制ができなくなったと発表した。佐賀大からの医師派遣が白紙になったためという。今後の見通しは不明で、唐津地域の周産期医療が危ぶまれている。
佐賀大から派遣される予定だった産科医側から4月、「個人的な理由」として白紙撤回の申し出があった。説得に努めたが意志が固く破談になったという。
このため対策委は県に産科医確保を再要請したほか、佐賀大や九大にも医師派遣を再陳情した。
佐賀大は再陳情に対して、医師が見つかれば唐津地域への派遣を優先し、同地域からの急患はすべて受け入れると約束したという。
同病院は産科医が1人のため妊婦の急患対応ができない事態となっており、緊急避難として、土、日は佐賀大と久留米大から医師派遣を受けている。平日は市内の開業医(6人)と協力して急患対応をしている。
唐津地域の出産数は年間約1200人。昨年は急患対応が97件あり、このうち同病院で対応できず佐賀市などに搬送した急患数は55件に上った。【田中操】
毎日新聞 2008年5月29日 地方版