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5月29日のながさきニュース
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長崎新聞
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小6女児殺害事件から4年 児童の自尊感情育つ
| 事件後の取り組み状況を話す鶴崎教育長=佐世保市役所 |
二〇〇四年六月一日に佐世保市立大久保小で起きた小六女児同級生殺害事件から丸四年になるのを前に、鶴崎耕一・市教育長は二十八日、市役所で会見し、事件後取り組んできた「命を大切する教育」の状況を報告。同小で児童と地域住民が接する機会を増やすよう努めた結果、命の大切さの実感につながる「自尊感情」が子どもに育っているとの認識を示した。
大久保小校区では事件後、地域を挙げて児童を育てる機運が高まり、住民や保護者による登下校の見守り、学校と住民の合同運動会、地域住民を招いた交流授業などが精力的に実施されてきた。
並行し大久保小が〇五年十月から児童を対象に継続してきた意識調査によると、〇七年七月時点で「自分のいいところをほめられたことがある」は87・5%から93・7%に、「自分のことを分かってくれる人がいる」も93・3%から98%にそれぞれ上昇した。
国が〇七年四月に実施した全国学力テストの生活習慣調査(小六対象)でも、大久保小児童の回答は「自分にいいところがある」「人の気持ちを理解したい」がそれぞれ約15ポイント、「住んでいる地域が好き」も約30ポイント全国平均を上回った。ほかの市立小は全国平均並みだった。
こうしたデータを基に鶴崎教育長は「地域の大人から大切に思われていると児童に理解させることで、自分が大切な存在だということに気付いてもらえる」と分析。「今後は市立の全小中学校が子どもの自尊感情を伸ばせるよう、組織的に地域との連携を強めていくことが必要」と述べた。
市教委は〇五年十一月、大久保小を含む市立小学校六校の四−六年生と中学校六校の生徒合計約千七百人を対象に長崎大と共同で意識調査を実施。「年齢が上がるほど自分に対し否定的な考え方を持つ児童生徒が多い」との分析結果が出て、自尊感情を育てる教育が必要とした経緯がある。
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