厚労省第三次試案を評価─日医

 日本医師会(唐澤祥人会長)は5月28日、定例の記者会見を開き、厚生労働省の「第三次試案」や後期高齢者医療制度、「2200億円削減問題」などについて、改めて考え方を示した。また、2008年診療報酬改定に関する緊急レセプト調査の速報値を公表した。

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 厚生労働省が4月3日に出した「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案─第三次試案─」について、日医は4月中旬に都道府県医師会にアンケート調査を実施。「試案に基づき制度を創設すべきか」との問いに、条件付きも含め36医師会が賛成、反対は7医師会、「その他」が4医師会だった。
 それを受けた形で各都道府県医師会との質疑応答を行い、5月27日付で「厚生労働省第三次試案に関する日本医師会の見解」をまとめた。「見解」はパブリックコメントとして厚労省側に手渡された。

 見解では、現状では医師法21条が存在する限り医療事故による死亡例の相当部分が警察への届け出義務を免れないと指摘。第三次試案の、▽医師法21条を改正して、医療安全調査委員会に届け出を行うことで所轄警察署への届け出を不要とすること▽そのことで警察への届け出から刑法211条の業務上過失致死罪を適応するという流れが変わる─などの点を評価した。その上で、「今日の刑事訴追の誤った流れから一歩も二歩も改善させた現実的解決策である」として、医師法21条の改正と、医療安全調査委設置の法制化を強く要望している。

 会見で木下勝之常任理事は、「司法当局とも警察当局ともきちんとした議論をしてきた。われわれ医療業界の思いがすべて伝わるというわけにはいかない。そうした枠の中で、国民にとっていいと思われる方向で合意した結果だ」と述べた。


更新:2008/05/28 21:18     キャリアブレイン

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