瀬戸内市牛窓、邑久両町にまたがる錦海塩田跡地の埋立問題で、環境破壊への懸念を訴える地元漁業者ら約300人が27日、計画の白紙撤回を求める初のデモ行進を同市役所周辺で行い、立岡脩二市長と直接対話にこぎ付けた。 同市役所前のスーパー跡地で反対集会が開かれ、「瀬戸内市の海と魚介を守る会」の畑中昭男会長が「私たちの漁業権が目に入らないのか。埋立は瀬戸内海の生態系をめちゃくちゃにする」と計画を批判。 漁業者の生活や瀬戸内海の自然を後世に引き継ぐため、所有者の錦海塩業(同市邑久町尻海)に計画撤回、県に開発許可の取り消し、同市には両者への働き掛けを求める決議文を採択した。 この後、漁船に張り出す大漁旗を掲げながら、約2キロにわたり「私たちの宝の海を守れ」などとデモ行進。同市役所前で座り込みも行い、話し合いに応じた立岡市長に決議文を手渡した。 立岡市長は「漁業者、企業みんなが幸せになるのが大切。さまざまなバリアを外すよう努力したい」と決意を表明し、円満解決を望む意向を示した。今後、県庁周辺でも同様のデモ行進を行う予定。 同計画は06年、県が開発を許可。同社が約300ヘクタールのうち約170ヘクタールで海域のしゅんせつ土をコンクリートで固め、処分する予定。