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減らぬ子どもの深夜徘徊 保護者の義務空文化 |
2008/05/28(水) 本紙朝刊 第1社会 A版 23頁 |
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県内、昨年の補導8147人
少年少女の深夜徘徊(はいかい)が減らない。県内で昨年一年間に、深夜徘徊で県警に補導された少年少女(十八歳未満)は延べ八千百四十七人。水戸市・千波湖のハクチョウ撲殺事件で書類送致された市立中学生二人が夜遊び”を繰り返していたことが分かっている。本県では、県青少年環境整備条例で、深夜時間帯(午後十一時−午前四時)には子どもたちを外出させないことが保護者には義務付けられているが、ほとんど空文化している。
県警のまとめでは、昨年一年間に補導された少年少女は一万七千七百九十五人。このうち、約半数は深夜徘徊で、補導人員は二〇〇三年当時の約一・四倍に増えている。
県警や県教委などによると、補導された少年少女の多くは、学習塾の帰りに公園やコンビニ店前で友人と話しているうち帰宅が遅くなったケースという。
千波湖のハクチョウ撲殺事件で、犯行を認めた水戸市内の中学生二人は四月中旬の未明、自転車で千波湖に訪れて犯行に及んでいたという。二人は、以前から深夜の千波湖周辺や市内繁華街を徘徊していたらしい。
県青少年環境整備条例は、@保護者は青少年を外出させないよう努力しなければならないA正当な理由なく、深夜に青少年を連れ出してはならない−と保護者に対し少年少女を深夜外出させないよう義務付けている。
この条例をめぐっては、中学生を含む家族が午後十一時以降にカラオケ店を訪れ、店側から入店を拒まれたケースも報告されているという。県警幹部の一人は「条例の内容はあまり知られていない。子どもが補導されて初めて気付く保護者もいるようだ」と指摘する。
学校側も、下校後の子どもたちの行動把握は難しく、具体的な実態調査は事実上不可能という。県教委は「周りの大人たちが子どもを注意するしかない」などとしており、地域や家庭との連携をさらに強める方針を示している。
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