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元市教委課長らに有罪 女児死亡プール事故 '08/5/27

 埼玉県ふじみ野市の市営プールで二〇〇六年七月、小学二年戸丸瑛梨香とまる・えりかさん=当時(7)=が吸水口に吸い込まれて死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた同市教育委員会の元体育課長高見輝雄たかみ・てるお被告(61)と同課前係長河原孝史かわはら・たかし被告(47)の判決公判が二十七日、さいたま地裁であった。伝田喜久でんだ・よしひさ裁判長は高見被告に禁固一年六月、執行猶予三年(求刑禁固一年六月)、河原被告に禁固一年、執行猶予三年(求刑禁固一年)を言い渡した。

 伝田裁判長は「両被告は危険が発生することを抽象的に認識していたが、前例を踏襲してほぼ全面的に業者に管理を任せていた。自己の職責に対する自覚を欠き、無責任」と指摘した。

 検察側は行政の責任について「一九九九年以降、固定できない吸水口のふたについてボルトの代わりに針金で仮留めするようになった」と指摘。その後もプール管理請負業者に何の指示もせず、危険を放置したため吸水口のふたが脱落し事故が起きたとしていた。

 弁護側は「吸水口のふたの脱落は実際にプールを管理していた業者側の責任が大きい。事故発生時の行政担当者の責任だけを追及すると本質を見誤る」と主張していた。

 事故をめぐっては、業務上過失致死容疑で書類送検され、さいたま地検が起訴猶予処分としたプールの管理請負会社社長(38)ら三人について、さいたま検察審査会が今年四月、起訴相当と議決。さいたま地検が再捜査している。

 判決に先立ち、弁護側は審査会の議決について弁論再開を申し立て、判決言い渡しが約十五分遅れた。




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