知的障害児入所施設:「契約制度」適用…6割が低所得世帯

 全国の知的障害児入所施設で、障害者自立支援法に基づき保護者に原則1割の施設利用料などを課す「契約制度」を適用された子の6割が低所得世帯であることが、日本知的障害者福祉協会の調べで分かった。また、入所児の2人に1人が、一人親世帯か祖父母・親せきが保護者であることも判明。施設にいる障害児の多くが、不安定な家庭環境のもとで契約制度を適用されている実態が浮かんだ。

 全国の知的障害児施設(約260カ所)に、今月1日現在の世帯状況などを緊急調査。28日までに回答があった137施設分をまとめた。

 知的障害児施設の入所児に、契約制度か、公費負担による「措置制度」のどちらを適用するかは都道府県が決める。調査では、回答があった施設の入所児の約6割の2653人に契約制度が適用されていた。このうち、生活保護受給世帯は228人(9%)、住民税が非課税となっている世帯も1358人(51%)に上り、計1586人(60%)が低所得層だった。

 また、回答施設の入所児の約50%が、父母のどちらかがいないか、両親ともいないために祖父母や親せきが保護者だった。こうした世帯の65%に契約制度が適用されていた。

 協会は「当事者責任の契約は、児童とその家族を社会全体で支援する制度とは言い難い。制度の見直しが急務だ」と話している。【夫彰子】

毎日新聞 2008年5月29日 2時30分

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