大詰めのIXI事件 浮かぶ業界の「無法」(2) - 08/05/28 | 19:00 |
[+]画像拡大 |
休眠会社買い取り 口利きで多額の収入
04年秋にIXIの取引先調達で口利きを始めると、知り合いの経営者に依頼して「スカイピー・コム」という休眠会社を譲ってもらった。ただし、公認会計士の知人を代表に立て、自身は表に名前を出さないようにした。副業については、「社内規則や道義上の問題はあるが、法的に問題ない」と親しい弁護士からお墨付きを得ていたという。
取引仲介は加速度的に増加して、収入は毎月「億円単位」に膨れ上がったとされる。飲食代は数百万円に上り、銀座界隈を飲み歩いた。不審情報を得たネットワンは05年末に社内調査を行ったが、元部長はしらを切り通し、翌年3月末に退職。その後は個人保証で数億円を借り入れてまでIXI関連の取引にのめり込んだ。しかし計算違いからか、倒産時に多額の焦げ付きを抱えている。
2人のほか、デル日本法人幹部(当時)も広範に取引参加企業を勧誘、三信電気などを引き入れていた。米デルは昨年10月の決算訂正で日本法人における架空取引関与を認めている。また、旧TIS出身者も、一部で口利きを行っていたようだ。
IXIの架空循環取引に参加した企業が、別の不正取引に加わっていた事実もある。菱洋エレクトロやミロク情報サービスは、NAJ(大阪市、07年5月倒産)が中心となった循環取引に参加。ミロクは富士通子会社のPFUから40億円もの損害賠償請求訴訟を起こされるなど、7件もの関連裁判を抱える。先頃倒産したニイウスコーは自身が中心となり、リース会社を使った循環取引などで債務超過を隠蔽していた。
過去の不正では、実害が発生しないかぎり、参加企業は臭いものに蓋をして知らぬふりをしてきたのが実情だ。業界ぐるみの腐敗構図が断ち切られる兆しは、いまだ見えない。
(高橋篤史 =週刊東洋経済)
- ブリヂストンが東洋ゴムと資本提携 荒川流「首位堅持宣言」-08/05/28
- SNS世界2位 フェイスブックついに日本見参-08/05/27
- 加盟店が値段も決めるサーティワンの「出店力」-08/05/25
- 武富士を襲う「仕組み金融取引」の衝撃-08/05/23
- ケンウッド・ビクター 経営統合の前途多難-08/05/23
- 【ムーディーズの業界分析】規模が事業会社の格付けに与える影響 規模は信用力上の強みとなりうるが、格付け上の重要性はさほど高くない-08/05/28
- 長期投資に向いた投信を選ぶのは、実は簡単だ−−澤上篤人 さわかみ投信代表取締役-08/05/28
- ブリヂストンが東洋ゴムと資本提携 荒川流「首位堅持宣言」-08/05/28
- 失速するマンション市場 積み上がる完成在庫、都心一等地でも異変-08/05/27
- SNS世界2位 フェイスブックついに日本見参-08/05/27