ダイキン工業は27日、平成22年度までの戦略経営計画「フュージョン10」の後半3カ年計画を発表した。最終年度には1兆7000億〜1兆8000億円としていた売上高目標を1兆9000億円に上方修正。ヒートポンプ式の燃焼暖房市場に本格参入するのに合わせ、ドイツの暖房会社の買収に乗り出したことなどを明らかにし、井上礼之会長兼CEO(最高経営責任者)は「M&A(企業の合併・買収)を含めいろんな戦略を展開して総合空調メジャーを目指す」と強調した。
世界的に需要拡大が見込まれる主力の空調分野で22年度の売上高目標を1兆6200億円と掲げた。19年度は1兆380億円と世界最大手の米キヤリアの1兆1000億円に肉薄。キヤリアの22年度に1兆6000億円に伸びると見込んでおり、井上会長は「ライバルも2けた成長を続けているが、“鼻の差”で空調世界一を確保したい」と話した。
また、生産時の温室効果ガス総排出量を17年度比で半減となる140万トン以下とするなどの環境貢献目標を設定。22年度以降は空調機器などの省エネ技術を途上国への提供を通して排出権を獲得することなども検討する。
さらに、井上会長は事業ノウハウの取得のためM&Aを活用する考えを表明。欧州で開発したヒートポンプ暖房システム「アルテルマ」の品ぞろえの充実や欧州市場での販売ノウハウなどを得るためドイツの暖房会社の買収に向けて交渉を始めており、今後、冷凍事業や「ダクト式」と呼ばれる北米で主流の空調設備事業に乗り出す際などにM&Aも検討するという。
(2008/05/28) |