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2008-05-27 12:07:02 stanford2008の投稿

桜井淳所長は原子力空母の原子炉設計条件に疑問

テーマ:ブログ

以下の内容は"水戸"からの情報です。米原子力空母"キティーホーク"は、今年8月から、横須賀に寄港することになっています。日米安全保障条約を前提に、米政府の要請があれば、日本政府は、日本のどこかに寄港許可せざるを得ません。横須賀寄港是非は、別にして、桜井淳所長は、原子力空母の原子炉設計条件に疑問を感じているそうです。商用軽水炉の燃料被覆管には、中性子吸収の小さなジルコニウム被覆管が採用され、その条件であれば、微濃縮ウランでも問題は、ないそうです。しかし、原子力空母の加圧水型軽水炉(PWR)の被覆管には、急激な熱出力変動に対応できるように、熱的・機械的特性を考慮し、中性子吸収の比較的大きなステンレススチールが採用され、その場合には、中性子バランス(炉物理では中性子経済)から、濃縮度93w%以上の兵器級高濃縮ウランが利用されるそうです。桜井所長に拠れば、問題は、緊急軍事作戦に対応できるように、わずか「数分」(公開文献より引用)で定格熱出力まで上昇できる設計になっていることだそうです。しかし、桜井所長は、過去の原子炉運転経験から、そのことに疑問を感じていると言います。原子炉は、いかなる炉型・目的であろうが、安全な運転を行うには、厳守すべきことがあるそうです。それを破ると制御困難な炉物理特性になり、自動停止制御系が作動し、原子炉は、スクラム(緊急停止)するそうです。桜井所長に拠れば、人間の判断と対応可能条件からして、原子炉熱出力がe=2.718倍になるペリオド(period)を15秒以上にしており、それ以下になると、アラームが鳴り、10秒でスクラムするように設定されているそうです。ペリオド15秒以上の通常の運転では、20セント程度の反応度を印加しますが、原子力空母の原子炉定格熱出力約1000MWを考えると、安全に、わずか数分で、その熱出力まで上昇させるには、考えられないような大きさの反応度を印加し、ペリオドも数秒程度(スクラム条件はこれよりわずかに短く設定)を維持するような運転をしなければならないそうです。桜井所長はそれは不可能だと言っていました。おそらく、通常、原子力空母の原子炉でも、商用軽水炉と同じくらいの条件で運転し、実際には、数分で定格まで上昇させるような運転は、していないのではないかと、推測しているそうです。桜井所長に拠れば、原子炉の運転経験のない人には、上記の意味が良く分からないかもしれないそうです。たとえ、緊急の軍事作戦でも、技術的にできることとできないことがあるそうです。

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