姫路市で昨年12月、急病の男性が救急搬送中に19病院から受け入れを断られ死亡した問題を受け、再発防止のため救急医療体制を維持・強化する方策などを考える「救急医療のあり方を検討する会議」(小澤修一座長)の初会合が27日、市防災センターで開かれた。会合では、医療体制の再構築とともに、救急医療の現状について医療関係者と市民が情報を共有することの必要性についても意見が出された。
会議は姫路市医師会や行政関係者、公募で選ばれた委員ら16人で構成。医療体制や市民への啓発活動のあり方、医師や看護師の確保などについて検討し、来年2月下旬に報告書をまとめた後、公表する予定だ。
最初に小澤座長が「救急医療は需要に供給が追いつかない状況だ。現状を少しでも改善するよう話し合いたい」とあいさつ。その後、姫路市休日・夜間急病センターで対応できない重症患者に輪番で対応する市内の医療機関が減少傾向にあること、また姫路市には市外からの救急搬送も多い現状が説明された。公募委員で塾講師の水谷直也さん(29)=姫路市=は「今の救急医療が危機的状況にあることを市民自身も意識しなければならない」と話していた。【松田栄二郎】
〔播磨・姫路版〕
毎日新聞 2008年5月28日 地方版