「カバンなどは別々の場所に遺棄」女性不明
東京・江東区で先月から23歳の会社員女性が行方不明になっている事件で、女性の部屋に押し入ったとして逮捕された男は、女性のカバンなどについて「外に持ち出し、別々の場所に捨てた」と供述している。
この事件は先月18日夜、江東区潮見のマンションで、星島貴徳容疑者(33)が2部屋隣に住む東城瑠理香さんの部屋に押し入ったとして、今月25日になって警視庁に逮捕されたもの。星島容疑者は、東城さんのカバン、携帯電話、コートについて「マンションの外に持ち出し、別々の場所に捨てた」と説明している。
また、遺体について「切断してトイレに流したり、一部は捨てたりした」とし、「東城さんが1人暮らしをしていると思った」と話している。
だが、供述には不可解な点もある。捜査員が最初に星島容疑者と話をしたのは事件発生の2時間半後で、日が変わった先月19日午前2時過ぎまで応対しない時間があった。先月19日午後1時には、捜査員が風呂場やトイレなどを調べたが異常はなかった。星島容疑者の供述が事実ならば、17時間半の間に部屋から遺体などを処理したことになる。マンションの下水は約30分で近くの下水処理場に到達し、機械で自動的に埋め立て処分される。しかし、東京都下水道局の和田慎一広報サービス課長は「例えば、人間の握り拳ぐらいの大きさだと、(トイレのパイプを)そのまま通るのは一般的には考えにくい」と話している。
また、星島容疑者は遺留品や遺体の一部を「捨てた」と供述しており、事件の翌日、星島容疑者はゴミ袋を手に部屋を出ている。事件発生以降、マンションのゴミ置き場に置かれたゴミは警視庁がチェックしたが、事件につながる不審なものは発見されなかった。防犯カメラには、星島容疑者が大きなカバンなどを持って出る姿は映っておらず、事件後の2日間は、インタビュー以外に外に出た形跡もない。先月21日の出勤時に持っているのも小さなカバンだけだった。捜査の目をかいくぐり、どうやって事件の証拠品を外に持ち出したのか。
星島容疑者は具体的な殺害方法などを話し始めているが、警視庁は供述が事実かも含め、慎重に裏付け捜査をしている。