食品や日用品の値上げが広がる中、イオンはメーカーから卸を通さずに仕入れる取引を大幅に拡大する。グループ入りしたダイエーと共同で、花王やネスレ、カゴメなど約60社からの直接仕入れを3年後に5倍の年間5000億円に引き上げる方針。総仕入れ額に占める比率を15%に高めて約300億円のコストを削減、一部商品の値下げと値上げ抑制につなげる。イオンが割安な自主企画商品の拡充に続き、メーカー品の流通改革に動くことで取引見直しが進みそうだ。
国内スーパーは各メーカーの商品を卸会社を通じて仕入れるのが一般的で、価格は卸と交渉する。直接仕入れに変えることで流通コスト削減やメーカーとの交渉で仕入れ価格を下げ、その一部を消費者に還元できる。欧米小売り大手が先行し、日本ではほとんどない。(09:19)