2008年5月27日付けの新華網は四川大地震発生前後のパンダの状態について報道した。“パンダの故郷”臥龍中国パンダ保護研究センターは震源地からわずかに8km。中国の国宝とも言うべきパンダはどのように地震発生時の混乱を過ごしたのだろうか?
臥龍自然保護区にある研究センターは63頭のパンダを育てていた。北京五輪を記念して北京に贈られる8頭と台湾に贈られる2頭のパンダも含まれる。そんな研究所に地震が発生。研究所の正門は崩れ落ち、保護区内にそびえる山は轟音をあげる。【
その他の写真 】
この地震に驚いたパンダたち。1歳に満たないパンダは螺旋階段に上ったまま降りてこない。パンダ舎のオリは地震のために崩れ門を開けることもできない状態。飼育係はよじ登ってオリの中へ。興奮状態のパンダは爪で飼育係をひっかき、噛み付くなど攻撃したという。
地震後、ある程度落ち着きを取り戻したものの、保護区や研究センターに通じる道は多くが断絶し、飼育棟の崩壊は悲惨なものだった。16日、四川省林業局はパンダ保護のため、食糧や薬品を運ぶトラック部隊を派遣。道を切り開きながら、19日に保護区に到着したという。赤ちゃんパンダがガラス片を踏み手術を受けた以外、パンダの被害は見られない。
24日、北京五輪のための8頭のパンダは北京に到着、北京動物園のパンダ館に「避難」している。(翻訳・編集/小坂)
【関連記事】
・<四川大地震>被災の「パンダの里」、一部移転も―浙江省
・<四川大地震>パンダの里に大被害、貴重種絶滅の可能性も―四川省
・<四川大地震>食糧危機のパンダ、「お粥」がエサに?―四川省