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給食費滞納 橿原市、近畿初の給与差し押さえ強制執行
全国的にクローズアップされる給食費滞納問題で、橿原市は27日、支払い能力がありながら小学校の給食費約4万7000円分を滞納していた1世帯に対し、給与差し押さえの強制執行を行ったと発表した。市教委によると、給食費滞納に関する強制執行は、近畿では初めて。一方、香芝市は同日、市内の小・中学校の給食費約110万円分を滞納している8世帯について、同市では初めてとなる強制執行に向けた支払い督促を葛城簡裁に申し立て、悪質な給食費滞納に対して自治体が相次いで積極姿勢を打ち出す形となった。
橿原市教委によると、同市は4月22日、小・中学校の給食費計約19万2000円を滞納する3世帯に対し、強制執行の申し立てを奈良地裁葛城支部に行った。その後、小学校の1世帯が約14万円(執行手続き費用を含む)、中学校の1世帯が約3万1000円(同)を納付したが、残る1世帯が支払いに応じなかったため、市は今月26日、約6万6000円分(同)を給与から差し押さえた。
市教委総務課は「強制執行までに、個別訪問や電話催促などを行ったが未納が続いた。今後も悪質な滞納者には法的措置もやむを得ない」と厳しい姿勢を示している。
一方、香芝市では、平成13〜18年度の給食費滞納額が計約491万1000円(今年3月末現在)にのぼっている。内訳は小学校が50世帯約485万3000円、中学校が6世帯約5万8000円。19年度分はさらに小学校で約80万円が見込まれており、深刻な状況となっている。
このため市は、支払い能力があるとみられながら納付しない小・中学校の8世帯について、約110万2000円分の支払い督促申し立てを行った。今後、対象世帯から異議申し立てがあれば訴訟で争うことになるが、申し立てがなく支払い督促が確定すれば、橿原市と同様に強制執行に踏み切るとみられる。