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中国の四川大地震による土砂崩れで川がせき止められて湖のようになっている「せき止め湖」は、一部で決壊する危険性が高まっており、土砂に溝を掘って水を抜く作業が始まっています。
四川大地震の被災地では、せき止め湖が、30か所余り出来ており、決壊する危険性が高まっていることから川をせき止めている土砂に溝を掘って、たまった水を抜く作業を各地で進めています。
このうち四川省北部の平武県にあるせき止め湖では27日午前、幅5メートル、長さが1キロの溝が完成し、せき止められていた泥混じりの水がゆっくりと下流へと流れ落ちていました。
河川を管理している中国水利省では、これまでに7か所で溝を掘るなどして水を抜いた結果、決壊の危険性が低くなったとしています。
また、北川県にある最大のせき止め湖では、軍や武装警察の部隊、およそ600人が、26日から掘削機などを使って溝を掘り続けています。
しかし、規模が大きいため、作業は来月5日ごろまでかかるとしており、中国政府は、本格的な雨期に入る前に作業を終えたいとしています。
一方、新華社通信によりますと、このせき止め湖の下流にある綿陽では、決壊した場合に備えて住民の避難も始まっています。
日本時間の28日午前1時までに住民15万人を安全な場所へ避難させる予定だということで、土石流などの2次災害の発生に備えた対策も進められています。
中国政府の発表によりますと、四川大地震で死亡した人は、日本時間の27日午後1時現在で6万7183人、行方不明者は、2万人余りに上っています。
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