【都江堰市(中国四川省)神澤龍二】大地震で約900人の生徒が一時生き埋めとなった四川省都江堰市の聚源中学校の遺族らが、校舎を建てた建設会社や仲介業者の男性(32)などを相手取り、建築法違反などの容疑で警察当局に告訴する方針であることが27日、分かった。同日にも遺族らが弁護士の選定などを協議する予定だ。
複数の遺族が毎日新聞に明らかにした。今後、崩壊直後の校舎の写真や、現場で入手した鉄柱などを市当局に持参するなどして、告訴の準備を進める。
崩壊した校舎は3階建て。当初は2階建てだったが、04年に上階の1階分を増築しており、建築法違反の疑いがあるという。校舎のコンクリート内の鉄柱の太さも基準を満たしていない可能性があると主張している。
一人娘の劉錦希さん(15)を亡くした劉宝貴さん(42)は「学校をずさんな方法でつくった人々は罪を償うべきだ」と訴えている。
一方、同じく校舎が倒壊した同省綿竹市の富新第2小学校の父母らは25日、「手抜き工事の実態を明らかにしろ」などとデモ行進。同市トップの蒋国華・市共産党委員会書記は土下座してデモをやめるよう求めた。広東省広州の地元紙「南方都市報」が26日に報じた。
毎日新聞 2008年5月27日 東京夕刊