後期高齢者医療制度の柱の一つ、「後期高齢者診療料」について、県内開業医の75・6%が「算定しない」と回答していることが、県保険医協会のアンケート調査で分かった。
調査は4月10日、協会から会員の開業医350人にファクスでアンケート用紙を送信。同22日までに82人から回答があった。
新制度では、「高齢者担当医」としてあらかじめ届け出た開業医は、糖尿病など慢性病を抱える75歳以上の患者のかかりつけ医として、年間治療計画を作成、継続して診療すると、月に1度、新設の診療報酬「後期高齢者診療料」(月6000円、患者の負担は原則600円)を算定することができる。ただ、一部の検査や治療は何度しても6000円しか払わない「定額制」になっている。
届け出について択一式で聞いたところ「届け出ない予定」が67・1%で最多。「既に届け出た」「届け出る予定」は合わせて18・3%だった。16%が「検討中」と答えた。
算定に関しては、「算定する」は全体の2%。「検討中」は20・7%、「無回答」は1・2%だった。
「届け出ない予定」「算定しない」理由としては、自由記述で「算定要件も厳しく、手間がかかる」「患者の囲い込みにつながりかねない」「患者が理解できない」などの意見が多かった。
一方、高齢者診療料を「算定する」とした理由としては、「大半の患者の窓口負担は月600円で負担が軽くなる」といった意見が寄せられた。
同協会は「後期高齢者医療制度について全国的に騒ぎになる前で、会員の意見がわからなかった。これほど反対の声が多いと思わなかった」と話している。【山口圭一】
毎日新聞 2008年5月28日 地方版