熊本市の健軍商店街を拠点にニートなど若者の就労支援に取り組む「くまもと若者サポートステーション」が今月で開設1年を迎える。これまで700件近くの相談に乗り、就職などの自立に結び付ける一方、支援の継続などで課題も浮かんだ。24日には若者の自立をテーマにしたシンポジウムを開く。
「ステーション」は厚生労働省の事業の指定を受け、特定非営利活動法人(NPO法人)「おーさぁ」が運営。健軍商店街の店舗2階に事務所を設け、仕事の適性を診断するキャリアカウンセリングや、職場を体験する就労体験などの活動を行っている。
3月末までの相談者数は176人(延べ相談件数678件)。6割が20代後半‐30代前半の男性で、福原和美センター長は「最初の職場でいじめを受けたり、何度も就職試験に落ちて自信をなくすなどして次のステップに踏み出すきっかけを失った若者が多い」と話す。
これまでに50人が就職や進学などの進路を決定。ただ、就職先の多くは派遣社員やアルバイトなど非正規雇用にとどまっており「どうやって正社員の就職にステップアップしていくかが課題」。せっかく相談に訪れたのに進路が決まらないまま足が遠ざかる若者も少なくない。
シンポジウムは24日午後1時半、熊本市黒髪の九州ルーテル学院大学で開催。引きこもりやニートの若者のフリースクールを主宰するNPO「文化学習協同ネットワーク」(東京)の佐藤洋作・代表理事の講演後、福岡、佐賀両県などで若者の自立支援活動に取り組むカウンセラーらが体験を交えて語る。定員100人。問い合わせは「くまもと若者サポートステーション」=096(365)0117。
=2008/05/20付 西日本新聞朝刊=