昨年5月27日に事故死したZARDの坂井泉水さん(享年40)の追悼ライブが、一周忌にあたる27日、東京・渋谷の代々木第一体育館で行われた。ライブは今年1月から全国で行ってきたツアーの最終公演。在りし日の坂井さんが歌う映像をボーカル代わりに生バンドが演奏を行うというスタイル。会場には坂井さんの遺影を掲げた献花台が設けられ、1万人近いファンが1年たった今も坂井さんの死を悼んでいた。
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衝撃の死から1年、時が過ぎてもファンの愛情は変わらなかった。献花台では2000人を超えるファンが花やメッセージを添え、そっと手を合わせるという1年前と同じ光景が繰り広げられた。
1月の神戸から始まったツアーは全国13カ所で16公演。04年に行われた初ツアーを上回る“ZARD史上最大”の規模となった。この日、来場したファン9000人の一人ひとりには坂井さんの「ライブに来て下さってありがとうございました 泉水」という直筆メッセージが印刷されたカードが配られた。
ステージにはZARDのシングル「今日はゆっくり話そう」にコーラスとして参加していた歌手の上木彩矢(22)や、楽曲提供していたガーネットクロウのボーカル・中村由利(年齢非公表)ら総勢25人が登場し、ライブを盛り上げた。
「愛は暗闇の中で」では、坂井さんが付け加えたかったという4行分の詞の部分だけを上木が歌う形で“完全版”が披露された。全35曲、約3時間という長丁場のラストは観客も一体となっての「負けないで」で締めくくられた。
一周忌に先立ち5月20日にはツアーの収益金の一部が「日本対がん協会」「がんの子供を守る会」に寄付された。また、28日には全シングル49曲をまとめた「ZARD Premium Box1991-2008」が発売される。