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デポジット法制化求め続け10年

2008年05月16日

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遠賀川から芦屋海岸に流れ着いたペットボトルや空き缶などを回収するボランティア=04年夏、芦屋町、妹川征男さん提供

 ■芦屋の事務局 飯塚で31日記念講演会

 九州最悪水準の遠賀川の水質向上のため、飲料容器への預かり金(デポジット)上乗せ制度導入を訴えている「I LOVE 遠賀川流域住民交流会デポジット法制化を求める事務局」(芦屋町)の活動が5月で10年を迎えた。地方議会や国会に請願を続け、国も導入に向けた研究を始めたものの、事務局長の妹川征男さん(63)は「実現への壁はまだ高い」。31日に飯塚市で記念の講演会を開く。

 デポジット制度は、飲料の容器に預かり金を上乗せして販売し、飲んだ後に容器を返すと、お金が払い戻される。ポイ捨てを減らし、リサイクルを促すとされ、事務局によると、海外では回収率が8割超の事例もある。

 妹川さんは11年前、芦屋町であった流域住民の大会「I LOVE 遠賀川」でデポジットの必要性を訴えた。当時から環境保護活動に取り組み、河口部の同町では多い年で1千トン以上のごみが流れ着くことに頭を痛めていた。

 その後、有志15人で事務局を設立し、98年5月から活動を開始。流域自治体に加え、県議会や県内全市町村の議会にデポジット法制化を求める意見書の採択を要請し、すべてが採択した。署名活動も展開し、全国の同種の団体の協力で21万筆を集め、00年に国会に請願した。

 その年に循環型社会形成推進基本法が制定され、今年3月には、環境省がデポジットでペットボトルを再利用するための制度づくりの研究会を発足させた。環境意識は着実に向上してきたが、妹川さんは「産業界の反対もあり、道筋は不透明」とみる。

 事務局は現在、遠賀川流域だけでもデポジットを導入できないか検討している。31日は、ごみ問題を取材してきた民放社員を招き、講演会と討論会を開く。「ローカルデポジット導入に関する要望書」を読み上げ、流域自治体の関係者に提出する方針だ。

 講演会は午後0時半から飯塚市の立岩公民館で。資料代300円(学生無料)。問い合わせは事務局(093・222・2588)へ。

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