流行の兆しを見せていた百日ぜきの患者報告数が急増し、今月12~18日には過去10年間で最多の325人を記録したことが27日、国立感染症研究所のまとめで分かった。20歳以上の成人患者が4割近くを占め、小児中心の流行形態が変化しているのがうかがえる。
感染研が、全国の小児科約3000医療機関から受けた定期報告を分析した。
それによると、4月21~27日に当時で過去最多の218人が報告された。春の大型連休で小康状態になったが今月中旬から急増し325人と記録更新。成人患者は35%の113人に達した。18日までの累積報告数は2177人で、成人は38%の817人。過去10年の同期比で最多だった00年の累積報告数の1365人を上回る。
現行制度では、成人患者は20歳以上としか報告されない。感染研は成人患者の年齢など発生動向を把握するため、ホームページに専用のデータベースを設置し、医師らに協力を呼びかけている。
感染研の安井良則主任研究官は「成人は重症化せず見過ごされがちだが、子供に感染させ、生命にかかわる事態を招きかねない」と話す。【関東晋慈】
毎日新聞 2008年5月27日 東京夕刊